生産工学の参考書を紹介します。
東京大学の生産工学では、機械材料(金属、樹脂)・機械加工(除去加工、塑性加工、溶接…)・機械要素(ねじ、オイルシール、歯車…)・生産プロセス・四力学などなど多岐にわたる内容が出題され、真面目に対策しようと思うと最も時間のかかる科目です。
過去問で出題頻度の高い鉄やアルミ、切削加工
、ネジなど知識を試されるところはしっかり押さえておいて、四力学の分野のようなその場で考える問題は柔軟に対応できるようにしておきたいところです。
東京大学の中尾教授の著書。東京大学の講義の教科書らしいです。オープンハウスで研究室訪問した際に生産工学をどのように勉強したか修士の人に聞いてみたらみんな口を揃えてこの本を読んだだけと回答されました。
上記の生産工学の概要がまとまっているので、とりあえず最初の一冊に良いかもしれません。ただ、参照図と説明が数ページ離れているなど本の体裁が悪く読みづらいので、私は後述する実際の設計を主に読んでいました。
実際の設計 改訂新版-機械設計の考え方と方法- (実際の設計選書)
生産の技術の共著者である畑村氏の著書。この方は中尾教授の上長にあたる人らしいです。
内容は生産の技術と同様に生産工学の概要がまとまっています。実際の設計はシリーズで他にも出版されているのでそちらもおすすめ。
設計者に必要な加工の基礎知識―これだけは知っておきたい機械加工の常識 (実際の設計選書)
設計者に必要な材料の基礎知識―これだけは知っておきたい機械材料の知識とデータ (実際の設計選書)
シリーズでこの二冊を読みました。熟読したわけではなくちら見した程度ですが。
前述したどの本でも、材料分野は主に金属の内容ばかりで樹脂モノの内容を補うためにこちらの本を読みました。反りやヒケのような樹脂モノの不良内容だけじゃなくその対策も記載されている点が良い。確かH22にそのような出題があったはず。
完成車メーカーで働いている先輩におすすめされた冊子。寸法公差や板金、鋳造、締結、カムなど冊子の薄さの割にめっちゃまとまっていて、試験対策中は何度も読み返しました。
院試対策だけじゃなくメーカーで機械設計・生産に関わる人は一読して欲しいです。
お馴染みJSME。切削加工の際の応力の掛かり方や発生熱などはこの本が一番分かりやすかったです。
ねじや歯車と言った機械要素の計算問題が詰まっています。院試の過去問を見て類題の練習をするのと、各章の初めに基礎事項がまとまっているのでときどき参照していました。
院試ではここに載っている以上の計算問題は出ていない気がします。
こちらも中尾教授の著書。教科書というよりは読み物ですが、実際に発生した企業の失敗事例がその発生理由毎に分類されまとめられています。材料の脆性破壊、疲労、腐食からはじまり、共振や想定外の使用、人為的ミスなど多くの事例を知ることが出来るため、院試に直接関係するとは限りませんが、暇な時に是非読んでほしいです。タコマ橋の流体振動による落下事例は有名ですね。
生産工学で私が触れたのはこんなところです。内部生も院試での生産工学の出来は悪いので、院試ではあまり注力し過ぎる必要はないと思いますが、ハードウェアのモノを作る上では避けては通れない内容なので、メーカーに就職する人は学び直しておきたいところ←
ではっ