流体力学の参考書ははっきり言って一冊で満足できるものはありません。常に複数の参考書とにらめっこしていました。
今回はおすすめ順というよりも触れる回数の多かった順番です。
東京大学機械の院試を受けるなら四力精選には必ず触れておきましょう。流れ学の講義を受け持っている高木教授が著者に含まれているので、過去問とも傾向が一致します。
但し問題の掲載順が一般の参考書とは異なり、割とバラバラに掲載されているので注意。
無料公開されているテキスト。院試範囲が程よくまとまっています、誤植が多いのが難点。
お馴染みJSME。式の導出でお世話になることが多かったです。運動量保存則での検査体積のとり方はJSMEが一番分かりやすかったですね。
参考書というよりは問題集。250問も掲載されており、院試範囲はほぼ網羅されていると思います。一から解いたわけではありませんが、院試問題の類題をこの本で演習しました。各章の始まり毎に内容がコンパクトに纏められているのでそれが地味に便利。
値段がアホみたいに高く分厚い。辞書代わりに使ってました。東大H20で出題された粘性散逸は私が調べた限りではこの本でしか言及されていません。
無料公開されているテキスト。市販されている流体の入門書よりよっぽどまとまってます。圧縮性流体まで扱っているのがありがたい。
今井先生の名著。初めの一冊にはしんどいけど、ある程度学んでから読むと目から鱗がポロポロ落ちてきます。院試に限定すればここまでする必要はないかも。惜しむらくは後編が発刊される前に今井先生が逝去されたので、東大で頻出の境界層は言及されていません。
こちらも今井先生の著書。前半は複素関数(数学)、後半で複素流体を扱います。内容はわかりやすいんですが私はこの本を十分に手をつけているだけの時間がありませんでした。
圧縮性流体力学に関してはどのテキストでも省略されていることが多かったので、この本を時々参考していました。機械系というよりも航空系の人が使うテキストっぽいです。
流体力学に関してはこんなところです。いざまとめてみると結構多い…。これらの本以上のものを探そうと思うと洋書で探したほうが良いかもしれません。
東大では過去20年ほど複素流体が出題されていませんでしたが、遂にH30の試験で出題されました(穴埋めですが…)。
東大の過去問を解くだけでなく、四力精選や自大の演習をしっかりして満遍なく学習しておいた方がいいでしょう。
ではっ